茶花は、ひとつの茶事や茶会内で使用されるいろいろな道具との調和を非常にたいせつにします。茶事や茶会で使用する道具を選ぶことを道具の取り合わせといいます。道具のとり合わせをする場合には、まず、その茶室の大きさが広間であるか小間であるかを考えます。そして、その開催の目的にしたがって、季節などを考え、床の掛物を第一にきめます。この場合、床の大きさがポイントになります。掛物がきまったら、次は、それに合う季節の花を考えます。自分で育てた花とか、野山からさがしてくるとか、心をこめて花を求めることが、茶花をいけるうえで、一番たいせつといっても過言ではありません。そして、さらに花に合う花入を考え、また掛物と花入との関連も考えなければなりません。このように、花によって花入がきまることが多いのですが、逆に、花入によって花が選ばれる場合もあります。

古くから名高い掛物など(中国の高僧の墨跡など)を使うときには、掛物の持つ位から当然花入も格の高いものが必要で、この場合には花入の格が高いために、花入に合わせて花をきめるという逆の順序になります。たとえば、中国の青磁の花入は、昔からたいへん貴重なものとなっていますが、このような花入には、花も高貴な風趣を持つぼたんや山しゃくやく、しゃら、また、つばきでも加茂本阿弥KAMOHONAMI、あけぼの、太郎庵椿TAROAN-TUBAKIなどの格調の高いものが、ふさわしいといわれています。以上のように、茶花は花だけが独立してその存在を主張するものではありません。茶室の中にある他の道具類との調和美の中の一部分として存在します。

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