裏千家十一代玄々斎家元の書に“四畳半の席は元来陰陽五行をかたどりて一室に世界をこめたる意なり。(中略) 茶室の建て様も南面にして東北の明を受けて造る事 席の本法なり。(中略)之に依って点前北方に向かって居ると知るべし…”とあります。

 五行で言えば、東=木と南=火が陽で中央=土が陰陽の中庸、西=金と北=水が陰となります。床の間の前の一畳は貴人畳で陰が掛かりながらも陽の 光を正面から受け“君子ハ南面ス”といわれる場所となります。四畳半という間取りの最初は、 東山慈照寺(銀閣寺)にある足利義政の持仏堂であった東求堂の東北隅に位置する‛同仁斎/ドウジンサイ’だと云われています。この‛同仁斎’は‛囲炉裏の間’と呼ばれていましたが、茶 室としての成立は“四畳半座敷は、珠光の作事也、真の座敷とて~其後、炉を切りて~…紹鴎に成て、四畳半座敷 所々あらため~~南方録より”と出てきます。そしてその基本的とも言える ‛四畳半出炉’の場合には、中央の半畳が炉畳となり、炉=土の場となる事も茶室の五行を考える 上での象徴的な事と言えます。

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