前回は茶道と切っても切り離せない陰陽五行説とはなんぞやということで話しました。今回も切り離せない何ぞやシリーズ第2弾ということで、茶事について話したいと思います。

 茶事というのは簡単にいうと、客を招待して食事(懐石)を差し上げ、その後濃茶、薄茶を点ててもてなすことをいいます。茶事では茶道の根本である“和敬清寂”の精神が随所にちりばめられ、亭主と客はお互いを思いやり、気持ちが一体となることによって、和やかな雰囲気が生まれ、人が穏やかに交際する喜びを感じ、そのひとときがまたとない特別なものになります“一期一会”。さらに、庭(露地/ROJI)、茶席、待合/MACHIAI、寄付/YORITUKIなどとそこで使用される色々な道具を調和し、統一させることによってまるで美しい交響曲が奏でられるような、人も物も自然もひとつになる素晴らしい境地が創造されます。日ごろ茶道の稽古で勉強する薄茶点前、濃茶点前、炭手前…etcも茶事に一部分であって、茶事を勉強しなければ個々の点前も本当には理解出来ませんし、茶道そのものを知ることも出来ないと言っても過言ではありません。茶事を知ることによって、道具や茶席などの応用も覚え、また日常生活でも色々と役立てることが出来ます。

茶事は、行われる季節や時間、趣向によってさまざまな種類があります。

それは茶事七式/CHAJI-SHICHISHIKIといって、厳寒の暁天に行われる ‛暁の茶事/AKATUKInoCHAJI’、主に夏の早朝に行われる ‛朝の茶事’、正午頃を席入とし、一年を通じて行われる‛正午の茶事’、午前でも午後でも、食後に招く ‛飯後の茶事/HANGOnoCHAJI’(菓子会)、主に冬の日没後 ‛夜咄/YOBANASHI’、貴人などを案内した茶事の道具をそのまま使って参会できなかった客から所望されて催す ‛跡見の茶事ATOMInoCHAJI’、突然の客などをもてなす‛臨時の茶事’の七つに分けています。この中で‛正午の茶事’が一番基本になるもので、現在も広く開催されています。

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